反復花文絨毯

意匠名 : 反復花文 (サラーサル)

製作地 : イラン・カーシャーン

製作工房 : モハンマド・ダビーロッサナーイェ

製作年代 : 1940年代

サイズ : 413×313cm

パイル素材 : 羊毛

織り密度 (結び・横×縦/cm) : 6×6 

ダラ・コレクション

この細かい花柄がフィールド全面に展開されたペルシャ絨毯は、一見アフシャーンのデザインのようだが、あるパターンの反復柄であるサラーサルの意匠となっている。ともに全体柄ではあるが、アフシャーンは左右相称あるいは上下左右相称のものが多くアラベスクがフィールド全面に展開されるもので、あるユニットを反復するものとは異なる。アフシャーンとはアフシャーンダン(散らす)からきており、サラーサルは端から端まで、全体、すべてを意味する。

 

このペルシャ絨毯では、ベージュのフィールドに青い丸型花柄が3つと赤い丸型花柄2つを含むさまざまな様式化された花柄と枝葉で構成された約50×35cmのパターンが反復される。フィールドのみならずメインボーダーもフィールドと同じ色調の類似した要素の花柄で構成されたあるパターンが反復して展開され、絨毯全体に統一感が生まれている。このように絨毯は計算され尽した反復意匠となっている。

 

メインボーダーには、フィールドの要素と少し異なった花柄とともに比較的写実的なゴレ・ファランギー(西洋の花、バラ)も加わり、よく見るとフィールドと較べ少々立体的にもなっている。メインボーダーはさらにサブボーダーとそれを挟むガードの3本の帯に挟まれており、最も外側にはアウターガードがさらに廻らされている。

 

サブボーダーには扇形のパルメット花文がエスリーミーで繋がれて展開されている。それを挟むガードはロゼット花文と葉文様が交互に並ぶ。最も外側のアウターガードはラーレ・アッバースィーあるいはターレット(小塔 turret)文と呼ばれる相反意匠が並んでいる。ラーレ・アッバースィーとは、アッバースのチューリップの意味で、ガードの意匠に頻繁に見られるものである。このペルシャ絨毯をプロデュースした織り匠はモハンマド・ダビーロッサナーイェ、カーシャーンで今も語り継がれる20世紀前半に活躍した工房で、その意匠を採用している織り手も多い。この絨毯は約4×3mの堂々たる絨毯で、そんなに緻密な織りではないが、歪みもなく細部に至るまで文様はしっかりと織り出され、その意匠の巧みさと織りの正確さが見事に融和している。

 

解説文

河崎憲一

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